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2007年4月

2007.04.26

神童

公式サイト

クラシックを映画にするのは難しいと思った。例えばロックだったら、演奏技術よりも、勢いであったり、スタイルや精神論的なものが、観客を登場人物に共感させることができるので、逆にヘタクソなのが良いと言うこともあると思う。音響が悪ければ逆にリアルでいい、とか。良くも悪くも、誰にでも手の届きそうな音楽。
でもクラシックは、演奏技術や音響が良くないと、それだけでガッカリした映画になってしまう。誰にでも聴くことは楽しめるけど、誰にでも演奏が出来る訳ではない音楽。そこに観客の共感を持って行くのは、かなり難しいと思った。

“神童”うたが、いかに他のピアニストより優れているかが、イマイチ伝わりにくかった。これは製作過程か、もしくは劇場側の音響設計にもよると思うんだけど、演奏会のシーンはオーケストラなんだし、もうちょっと迫力ある音量で聴かせるべきと思った。折角ドルビーデジタルなのに・・・。

ワオも、いかに純粋にピアノが好きかということも描きかたが弱いと感じました。松山ケンイチくんは可愛かったけどね。手も、指が長くて萌えます。

全体には悪くないし、面白く観れたんだけど、この映画のタイプからいくともう少しメリハリがあってもいいんじゃないかと思いました。

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ラブソングができるまで

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いい!いいですよこの映画は。

ヒュー・グラントのヘタレ&くたびれ具合がいい!以前は好きになれなかったけど、歳とって、いい感じにダメになったなあ。「昔モテてた中年」っていうイメージがあまりにもピッタリ。自己パロディっぽいですね。

ベッタベタ80年代の“POP”(ヒュー・グラントがやっていたことになっている架空のバンド)のPVも最高。私は80年代の音楽はよく知らないけど、メジャーどころで思いつく音楽やPVをうまく合わせて作った感じで、ニヤニヤしてしまいます。また観たい。

それにしても「かつて一世を風靡したスターで今は落ちぶれた人」で、こういう感じの人いるんだろうな〜。遊園地での営業とか、ちょっとしょっぱいわぁ。それにしても、昔好きだったアイドルが出現したら、テンションってあがるものなのかなー?それとも、その本人よりも、昔の自分や時代を思い出して盛り上がるっていうことなんでしょうか。

ドリュー・バリモアもいいです。彼女は結構背が小さいんですね。周りがでかかっただけなのか。

ブリトニー紛いのアメリカティーンアイドルの描き方もウケる。笑って泣けて、ある意味、王道のラブコメディで逆にちょっと新鮮でした。

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2007.04.25

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!

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マンガは好きで昔よく読んでたのですが、クレヨンしんちゃんの映画は良いと聞いていたのですが今まで見たことはなく、初めての鑑賞となりました。観客は子供よりも大人が多かった、というかおじさんとか兄ちゃんとか一人で見に来ている人の方が親子連れより多かったです。

しんちゃんの話がいいところは、野原一家が一般庶民で、それ以上でもそれ以下でもないところだと思いました。映画だからと言って強くなったり凄くなったりするんじゃなくて、あくまでサラリーマン家庭。家のローンはあと32年、勤続15年で係長、ピンチになったら土下座。「計画通りにいかないのが人生」というひろし(父)の台詞がハイライトだと感じました。

宝塚風ミュージカルシーンは正直退屈だったけど、泣けました。特にサラリーマンのお父さんたちは感動出来る映画だと思います。

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2007.04.23

チェコのアートアニメーションワールド

2プログラムあるうちの、Aプログラムを見ました。

チェコアニメはそんなにコアなファンではないですが、仕事柄目にする機会が多いので、お馴染みな感じ。今回は知っている人はポヤルくらいかな?最近の若手の作品も入っているみたいでした。

アートアニメーションとは言っても、これは邦題で、本国では明らかに子供向けに作られているものも多いので、正直いつも途中で眠くなります。今回は郵便配達のおじさんの話で眠くなりました。

後半の大人向けアニメーションは結構面白かったです。特に好きなのは40人のおじさんが出てくる話。私は同じものが沢山並んだりしているのが好きなので、もっと長く見たかったなあー

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2007.04.20

パリ、ジュテーム

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世界中のパリを愛する監督たちが、パリを舞台に描く短い愛の物語をオムニバス形式に綴った作品。(この紹介文我ながら上手いなあ)

オムニバス形式の映画で全部が面白かった映画って見た覚えがないんだけど・・・しかもこれ、1本が5分ちょっとくらいで凄い人数が撮ってるんですねー。

きっと、主役はパリそのもので、そこにあるささやかな物語を描くみたいなコンセプトだとおもうんだけど、なんせ5分ちょっとくらいしかないから、パリって素敵だなあと思う前に話は終わるんです。それで次の話、次の話・・・って、まあ飽きることはないけど、特別面白い作品や気になる作品はなく、全体的には大味。これを見て「パリに行ってみたい」と思う人ってほとんどいないんじゃないかなー。「ラストタンゴ・イン・パリ」(大傑作)の方がよっぽどパリに行きたくなるよ。

なんというか、毒にも薬にもならない映画でした。でも、監督や役者は豪華(スティーブ・ブシェーミとかさ〜)だから、そこが気になる人は観に行ったらいいかも。

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2007.04.18

エレクション

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観客は・・・私と、マニアックそうな30代の女の人。

今日は体調もあまり良くなく、映画を見たい!っていう気分じゃないけど、時間があったのでなんとなく入ってみてしまった。そしたら、全然集中できずに寝てしまった。

見たかった映画なだけに残念。中途半端に見てしまったので、リベンジするかどうかは微妙だな。

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松ヶ根乱射事件 2回目

公式サイト

三度の飯と同じくらい好きな山下映画をリベンジ!前回はただただ面白くて見てたけど、今回はもうちょっと客観的に細かいところも見ようと意識して鑑賞しました。

これは特にダメ男シリーズ(「リアリズムの宿」「ばかのハコ船」など)で目立つ、ちょっと引いた位置での固定カメラのロングショットで、2人の会話が(だらだらと)進むシーンのうち、兄弟が部屋で会話をするシーンの二人の感情の変化がとても面白いと感じました。普通の会話→兄がはぐらかし→足の大きさを比べ→喧嘩→元に居直る、この兄弟の演技のリアリズムはすごい。

役者の巧さは演出の巧さでもあると思うんですが、この兄弟は本当にいいね。山中崇って初めて見たんだけど、この常にニヤついている、近くにいたらぶっとばしたくなるこのダメダメっぷりの演技が凄いのです。三浦友和の、ダメ親父→実は優しいかも→やっぱりいい加減→たまに鋭い→やっぱりダメっていうキャラクターも面白いですね。しかも母親はまだ、この父を家長として受け入れるところがねー、心情的にはありえないんですけど、現実にはありえるんですよね。

川越美和はなんかのニュースで「脱ぎ損」って言われてたけど、まあ一般的には脱ぎ損なんだろうけど、山下ファンは川越美和の無駄な脱ぎっぷりは「脱ぎ得」と思ったと思います。

山下監督の映画って今の日本映画では最先端に位置していると思うんですが、そういえば一度も「お洒落」とか「カッコいい」とか思ったことがないことに気づきました。ははは。むしろ、「野暮ったい」「ダサイ」「田舎くさい」「ダメ」という言葉が思い浮かぶ。当たり前ですが、カッコ良くてお洒落な映画=現代の新しい映画、ということにはならないということですよね。素晴らしいです。

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今宵、フィッツジェラルド劇場で

http://www.koyoi-movie.com/

ステージがあって、観客が居て、バンドが(BGMも含めて)演奏して、そこで歌って・・・ラジオの公開放送って本来はこんな感じなのかもって思った。思い出したのはTHE WHOの「SELL OUT」で、企業CMを曲にしているもの。MCの人がその場でCMするって、ちょっと技術もいるだろうし、いつも違うだろうから面白い。あともう一つ思い出したのは、「探偵物語」の次回予告で松田優作が適当に喋るやつ!あれアドリブだって聞いたんだけど、まさにそんな感じがこの映画のワンシーンでありました。

群像劇はどちらかというと得意な方ではないんだけど、これは(アルトマンだからというものあるけど)群像劇であるが故に、最後の放送の特別な空気が出てると思いました。「有頂天ホテル」でやりたかったのはこういう“特別な空気”なんだろうけど、一人一人の役が生きてないから駄目だったんでしょうね。

「老人が死ぬのは悲しいことではない」っていう台詞が、まるでこれからアルトマン自身が死ぬことを暗示しているようでちょっと不思議。

物語もここで終わり、というのではなくて、また次にみんなでやろうよ、っていうささやかに前向きなラストでいいね。

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2007.04.08

ディア・ピョンヤン

http://www.film.cheon.jp/

元朝鮮総連の幹部の父を持つ在日の女性が、10年間にわたり家族をカメラで撮り続けた作品。日本で生まれ育った彼女と父親の、考え方の違いによる葛藤と家族愛の映画。

タイトルと粗筋だけだと、かなり緊張しなくてはならない映画?と思いますが、そんなことはなくて、笑って泣ける非常に面白いドキュメンタリーとなっています。

今日はヤン・ヨンヒ監督(美人さんでした)の舞台挨拶もあったのですが、やはり北朝鮮に家族がいることから、この映画ではカットせざるを得なかった部分や、語りきれなかったことがある。また、北朝鮮については同じような角度からの報道や情報しかありませんが、それとは違った「在日」や「北朝鮮の人の姿」があることを観てもらえたら、というようなことを言っていました。

個人的にテレビやメディアの報道は完全に鵜呑みにはしない私ですが、それでも一面的な情報しかない北朝鮮の人々の姿がそのままイメージになっていたのだなと思いました。

北朝鮮だけでなくて、何事も、実際に関わり触れなければ完全に理解することはできないと改めて感じつつ。

長い月日は人の考え方を変えるけど、変わることはないと思われた父の娘に対する思いが変わったことは驚きで、それは家族で一人だけ考え方の異なる娘(監督)が、それでも家族を大切にし愛情を持っていることと、そんな娘を父も大切にしているからなんでしょうねー。

監督が映画で描ききれなかったことをエッセーとして書いたそうで、その本を読んでみたくなりました。

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2007.04.07

デジャヴ

http://www.movies.co.jp/dejavu/

「デジャヴ」! DE JA VU!!
このタイトルのダサさ!!素晴らしいですねー。

で、タイトルから勝手に、主人公がデジャヴ(既視感)をフル稼働して事件を解決していくという頭脳系のサスペンスかと思ったのですが違いました。

ジェリー・ブラッカイマー製作、トニー・スコット監督。デジャヴ。

事件を解決する主人公は頭がキレる男前、デンゼル・ワシントン。デジャヴ。

豪華フェリーに乗った怪しい車からビーチボーイズの"don't worry baby"(一応タイトルがベタな伏線となっている)が流れて爆発。最近ビーチボーイズが映画でこういう使われかたをしているのが多い気がする。デジャヴ。

フェリー爆発!火薬量多過ぎで失笑!死者多数だけど全然可哀想じゃないところがハリウッド。デジャヴ。

国家機密の機械をあやつる頭脳集団に、デンゼル・ワシントン頭脳で勝利し信頼を得る。デジャヴ。

その国家機密の機械、実は過去と繋がるタイムマシーン!デジャヴ。

過去と現在が繋がって、時間軸が枝分かれして、現在の状況が過去とつながって、それでそれで、ってなんか藤子F不二雄短編集とか、ドラえもんの「魔界大冒険」とか、「トワイライトゾーン」とか、「世にも不思議なアメージングストーリー」っぽいなあ。デジャヴ。

その機械、使い方によっては超簡単に問題解決できるマルチなマシーン。なんでもありな感じでつまんなーい。デジャヴ。


よく考えると、本来の意味でのデジャヴって殆ど出てこないねえ。あ、もしかして「なんか観たことある感じの映画」っていう意味か?!それだったらセンスいいよね!スゴいね!

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善き人のためのソナタ

http://www.yokihito.com/

今年観た映画の中で一番感動したんだけど、なぜ感動したかをうまく言葉にすることが難しい。

ベルリンの壁が崩壊したときは私はまだ小学生で、ニュースで壁を壊して乗り越える人々の映像を見たのはよく覚えているけど、その壁の意味や崩壊したことの意味を知るのはもっと後で、さらに漠然としか知らなかったその壁の向こう側がどうなっていたのかを、この映画を観てやっと知ったと言えます。

勿論監督は、東ドイツのシュタージを“良き思い出”ではなくきちんと描くことを重要視しているのですが、その状況の中で変わって行くシュタージの主人公ヴィースラーの、寡黙でありながら大きく揺れる心情が丁寧に描かれ、それが柱となっています。

今まで多くの人を監獄に送り、国家に忠実なヴィースラーがあんなに簡単に改心するものだろうか?という疑問も確かにあるけど、(指摘している人もいるように)やはりヴィースラーはクリスタに恋愛感情を抱いたのだと思います。そして、芸術を通してドライマンのことも好きになった(同性愛的な意味ではない)。

ヴィースラーが西側の考えに変わったというよりも、ドライマンを助けたかったというのが、結果として東側に刃向かうこととなったのだと思います。勿論芸術がヴィースラーの考え方をを変えたということもあると思いますが、それ以上に人としてドライマンを助けたい、協力したい、という気持ちがヴィースラーを動かしたのではないかと感じました。

東西統一の後も、黙々と郵便局で働き続けるヴィースラーは、かつて犯罪者として牢に送られた人々や、自殺した人々に対して贖罪しているのだろうと感じます。ブレヒトの本に心を動かされたヴィースラーが、もう一冊の本に出会うささやかなラストに感動。

監督は私より少し上のまだ30代なんですが、この歳でこんな映画を撮るなんて驚愕です。

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2007.04.02

恋しくて

http://koishikute2007.jp/

BEGINの石垣島時代を綴ったエッセー?を元に、「ナビィの恋」の中江裕司監督が映画化。時代背景については特に説明はないけど、服装やイカ天らしきものが出てくるので、80年代末だと思います。

うーん、主人公の高校生たちがカワイイ!!友だちの家に上がり込んで「おばちゃんトイレ貸して!」っていうのがいいね。そういえば私も小学校の頃は他人の家でトイレ借りたなあ、と懐かしくなりました。今の時代はありえないけど、こういう環境で子供が育つのっていいよなー。

あとはボケかかっている老人が違和感なく、むしろノンビリした空気に完全にマッチしてました。ボケ老人の使い方は『松ヶ根乱射事件』に似てます。

時間の流れもだけど、シーンのカットの仕方まで沖縄時間なので、最初は違和感あるんだけどだんだん心地よくなります。話の端折りかたも沖縄風に「別にこのエピソードは大事じゃないわ、切っちゃおう」っていう感じでしょうか。『ナビィの恋』『ホテルハイビスカス』も観たんだけどこんな感じだったかな?

最後のBEGINがなんとも言えずいい。BEGINは特に好きではなかったけどちょっといいなと思ってしまいました。

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