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2007年7月

2007.07.25

アンダルシアの犬/黄金時代

ダリ展と同時開催しているイメージフォーラム・フェスティバルで、ブニュエルの「アンダルシアの犬」と「黄金時代」をやるというので観に行きました。

「アンダルシアの犬」は学生時代にビデオで見たんだけど、あの眼球を切り裂く有名なシーン以外は殆ど覚えてなかったなあ。映画はイメージのモンタージュという感じで、話のつながりはないそうです。今見てもそんなに驚きはないですが、表現として面白い物が随所にあります。

「黄金時代」はダリが途中で抜けたそうですが時々ダリっぽい表現が出てきます。日本語字幕がついてなかったので解説書を予め貰ったのですが、それを読む時間がなくスタートし、でも英語字幕でなんとなく意味はわかるだろうと思ってたんですが、英語字幕の消えるスピードが速過ぎて殆ど理解できませんでした・・・。もう、想像力で補填して見るしかなかったです。なんだかエキセントリックな男の行動がすごかったです。
「アンダルシア〜」はサイレントで、「黄金時代」はトーキーだったんだけど、この時代にトーキーってあったのかな?「黄金時代」の先付で“1970年代”の文字が出てきたので、70年代にニュープリが焼かれてその時にトーキーにしたのかなとも思ったんですが。音楽と、フランス語の台詞がついていました。

どっちもフォーマットは16ミリだったのですが、やっぱりビデオ(DVD)より16ミリはいいです!ビデオで見るより良さは5割増だよねー。画面にリーダーのカウントや文字が映ってて、まあ普通は映写したらダメなんですが、そういうのもいかにもフィルムって感じで私は好きです。スプライサーが通って画面がブレたり、リール交換したりとか。35ミリ(普通映画館でかかっているサイズ)も好きなんだけど、16ミリの微妙な粗さと不安定さが好きです。

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ボンボン

公式サイト

世界一?ツイてないおじさんが、犬ボンボンに出会って、運が好転していくお話。

この映画の主役は犬ではなくおじさん。このおじさんはいつも笑顔。長年勤めたガソリンスタンドをクビになっても、お金がなくても、ちょっと人に馬鹿にされても、自作のナイフが売れなくても、家に居づらくても、常に笑顔。そしてこのおじさん、全く主体性がないというか、周囲に流されまくっているんだけど、絶対に憎めないタイプです。むしろいつも近くに居てほしいくらい穏やかで、こんな人生を送りたいとすら思わせます。

先述のようにこのおじさんには主体性がないのですが、映画のなかでひとつだけ、おじさんが自分の意思から行動すること、それが離れてしまったボンボンを取り戻す事なのです。

ボンボンとおじさんの感動の再会(?)の驚愕のラストは、思わず笑ってしまいます。

あといいなと思ったのは、人間と犬との関係性です。私は犬を擬人化したり、必要以上に過保護にしたりする風潮を快く思っていないので、“人間は人間、犬は犬”というスタンスが好感。(ちなみに猫は自分の利益にならない限り人間と必要以上にベッタリしないので、私は断然猫の方が好きです)

「ボンボン」っていう名前は、アルゼンチンではどんなイメージなのかな?私の「ボンボン」のイメージは、ゲンズブールがフランスギャルに歌わせた卑猥(?)な歌のイメージだけど(笑)。「この犬にボンボンなんてありえない」っていうニュアンスの台詞が出てくるので、きっと闘犬狩猟犬っぽくない名前なんでしょう。日本で言えば「ポチ」とかかな。

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毛皮のエロス

公式サイト

ダイアン・アーバスの伝記映画ではなくて、オマージュを捧げた完全フィクションです。

ダイアンの創作への心的変化と、「毛皮男」を始めとするフリークスへの関心の高まり、「毛皮男」との不思議な恋愛感情と、映画の根幹となる要素が様々なので散漫な感じもしなくはないですが、どれも最終的にダイアン・アーバスのアーティストとしての要素となっていくので違和感はありません。語り口が最後まで興味を持続させるので、面白く見ました。これを見てもダイアン・アーバスを理解することは出来ないと思いますが・・・

ニコール・キッドマンは正直あんまり上手くないと思ったけど、この人がいかに尋常じゃないほど美しいかはよくわかります。映画観て、かわいいなあと思う女優さんはいるけど、ニコール・キッドマンの美人さは群を抜いていると思いました。ロバート・ダウニーJr.は最近ノっているだけにこの映画の演技も良いです。雰囲気がちょっとハビエル・バルデムに似てるかもと思った。

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2007.07.14

傷だらけの男たち

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「インファナル・アフェア」の監督と、愛すべき大根役者の金城武と、わたくしが世界一好きな俳優トニー・レオンの新作です。

「インファナル・アフェア」とは別物なので比較する必要はないんだけど、どうしても比較してしまいます。「インファナル〜」が面白かった一番のポイントは、警察に潜入したマフィア(アンディ・ラウ)とマフィアに潜入した警察(トニー・レオン)の2人の関係性のみに的を絞ったためにかなり緊張感があり、また2人がとても魅力的だったからと思うのです。

今作は、トニーと金城武との関係だけでなく、2人の人生と、恋愛と、いろいろな要素をまんべんなく入れたために焦点がぼやけて散漫で平凡な印象になってしまっています。話自体もありきたりだし。これ必要か?っていうエピソードや、この展開は不自然と思わざるを得ない部分もあり。

常に酩酊状態の金城武は上手いんだか下手なんだかわかんない微妙な演技ですが、なんだか妙に「良いな」と思わせるんですが、トニー・レオンはキャラクターの芯が不自然なためあまり素敵でなかったので残念。ファンとしては、「あっ結構老けたな・・・」と思ってしまいました。メガネが微妙におっさんで・・・セルフレームのお洒落メガネをかけてほしかった・・・
トニーはアン・リーの新作のが素敵っぽいので、そっちに期待します。

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2007.07.13

アポカリプト

公式サイト

キリスト原理主義者だそうですが、いろいろ物議を醸した「パッション」を撮ったりとなかなかきな臭いメルギブの監督作です。

その時代考証や文明などの背景はまあ置いといて、単に“絞首台に載せられかけた男が家族を救う話”として面白いです。ちょっとこれは必要ないんじゃないの〜というグロい表現がかなりあり、嫌いではないんだけども、この辺は完全にメルギブの趣味嗜好の現れと思いました。血とかビュービュー出るしね。こんなにホラー以外の映画で血やら内臓やらを見る機会は最近ないですねえ。

どっかの民族に捉えられた主人公たちですが、そこで生贄として儀式に出されまして、そこに王とその孫?みたいのがいるんだけど、その孫が、小太りでニヤついてるムカつくガキでですねえ、なんか「落合ふくし君」を思い出しました。

映画が俄然面白くなるのは、主人公が囚われの身から逃げ出して、家族の元に向ってひたすら逃げるところです。ちょっと体力ありすぎじゃねーのとかそういう現実的なことはあんまり考えないで観るとハラハラドキドキで面白い。

ラストの家族を救うシーンは、端折り過ぎじゃないの?と思ったんだけど、もうそこはどうでもいいんでしょうねメルギブは。

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2007.07.07

死霊のはらわた

ゲオで大特価販売してたのでそして観たことがなかったので買いました。そして観ました。言わずと知れたサム・ライミのデビュー作です。

やばい!これはオモロすぎる!!!怖いと言うよりは笑い!!!名シーンはありすぎてとても挙げることはできませんが、一番好きなキャラクターはブルース・キャンベル(主演)の彼女です。取り憑かれてイカれてしまうんだけど、その顔が素晴らしい!真似したい。しかも別に何も危害は加えずヘラヘラしているだけなのに、ビジュアルが死霊というだけで彼氏にバッシバッシと容赦なく鉄の棒で殴られ死亡(涙)
とにかく血がブシャーッと、出血大サービスっていう言葉はここから生まれたのかしらと思うくらい豪快に出まくるので清々しい。
好きなシーンは、上記の可哀想なイカれ彼女の足の傷から血の模様がミシミシっと現れるところかな〜。彼女の絡むシーンは大体好きです。
これの撮影、大変だったと思うけど楽しかっただろうなあ。クレイアニメの撮影とか、結構時間も体力もかかってるし。こういう低予算で皆で楽しんでやるのって羨ましいです。しかもそれが大傑作として歴史に残っとる。
あー、フィルムで映画館で見たい!

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ブギーナイツ

PTA(ポール・トーマス・アンダーソン)の97年作品。観てなかったので観ました。

これは素晴らしいですね。70年代〜80年代のポルノ映画の興隆と、ビデオの普及による衰退とを、その波にがっつり乗っかった男を中心に描いてます。私はポルノ映画の歴史なんてわかんないけど、新しいものが登場すると、その裏ではこういうことが起こり、それに翻弄される人々が居る。これはポルノ映画だけの話ではないので、その辺にグッと来る人は多いんじゃないでしょうか。

主演のマーク・ウォールバーグはじめ、ジュリアン・ムーアやらフィリップ・シーモア・ホフマンやら名前は知らないけどよく見るあの人この人、豪華キャストでしかもキャスティングミスなしっていうところも素晴らしい。アルフレッド・モリーナのイカレっぷりはまじで怖い!!あんなとこ絶対3秒で帰りたいです。

上映時間は長いけど、長さの分だけ満足出来る逸品。

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ヒロシマナガサキ

公式サイト

広島と長崎に投下された原子爆弾をめぐるドキュメンタリー。日米双方からのインタビューや記録映像で綴ります。

原爆については、大体のことは既に知っていることだったのでその点の驚きはほとんどなかったんだけども、当時はまだ子供だった生存者(勿論既に老人となっている)たちがその時のことを詳細に語るのを聞くのはかなり辛い。あまりに生々しい。ある意味写真や映像より、人の語る言葉が強烈で、それを子供の時に体験しなければならなかったことを考えると言葉になりません。
「原爆で死んだ人よりも生き残った人の方がもっと辛いと思う」と言っている生存者の方がいたけど、この話を聞いて本当にそうだなと感じました。原爆が落ちてしょうがなかったとは、この映画を観た後は絶対に言えない。

映画は、「原爆の悲惨さ」を客観的に伝えることを徹底していて、アメリカ側の視点を入れることによって多面的に捉えることもできているので、その点でとても良いドキュメンタリーだと思いました。

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赤線地帯

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溝口健二の遺作です。
売春禁止法が国会を通るかどうかと言う時期の、売春宿「夢の島」で働く女性たちの人生模様を群像劇として描いています。

時代はおそらく撮影当時の時代をそのまま描いているので1956年、この頃は売春とか娼婦って、世間的にどういう捉えられかたをしていたのかはわからないけど、少なくとも今よりももっと差別されてただろうから、これで食べて行くのは(金銭的なこと以外において)大変だったんじゃないかなと推測出来ます。ここに出てくる人たちのように、一家の稼ぎ頭として家計を支えていた女性も多かったんでしょうね、

京マチ子は多分一番現代的(当時)なタイプの女性の役だったんだと思います。雰囲気が派手派手です。若尾文子は若くてチョーカワイイので、お客さんで行って若尾文子に当たったらツイてるとしか言いようがありません。最初から最後まで若尾文子の可愛さにうっとり。

娼婦たちを捉える監督の視点がやさしい作品でした。でもまさかこれが遺作になるとは思ってなかったんじゃないかなあー。

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舞妓Haaaan!!!

公式サイト

ななはーん!のあいつだよ。

面白い、けど長い!「キャッツアイ」といい、いろいろやりたいのはわかるけど、如何せん長い!

2時間ほとんどハイテンションの阿部サダヲがこの映画の魅力のすべてといっても差し支えないくらい、素晴らしいです。パンツ一丁になったら完全におっさん体型なのも素晴らしいです。これが違う俳優だったら、とても2時間持つとは思えない。サダヲありきの映画です。そして、観た人すべてがサダヲファンになるのではないかと思わせます。

舞妓育成システムや置屋システムもさらっとわかってなるほどねーと思いました。

柴咲コウの演技はいつもワンパターンで好きじゃなかったけど、この映画の柴崎コウはよかったな。エンディングの歌もよかったな。

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歌謡曲だよ、人生は

公式サイト

ここにでてくる歌謡曲は、わたしの子供の頃よりももっと古い歌謡曲なので、リアルタイムでは知らない曲ばかりでしたが、ドリフ(カトちゃんケンちゃん)とかオレたちひょうきん族などお笑い番組で替え歌のされていたので知っている曲が数曲ありました。

宮史郎がすばらしかった。私がもし町内歌謡ショーを企画するならば、絶対に宮史郎に歌ってほしいとおもいました。(もしくはヴィレッジシンガーズのそっくりさんでも可)

あとは、ゴールデンカップスを意識したとおぼしき(マモル・マヌーも出てたし)バンドが、妙にかっこよかった。

ひとつひとつは悪くないけど、やっぱり全部通すと長いわぁ。

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