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2007年8月

2007.08.22

トランスフォーマー

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マイケル・ベイ監督&スピルバーグ製作総指揮の大作です。マイケル・ベイだけならダメ映画臭プンプンなんですがスピがどこまでやってくれるかというところでやや期待してました。
CG技術はかつて不可能だった演出を可能にしたわけですが、まさにこの映画はCG技術がなかったら絶対に出来なかった映画ですね。トランスフォームされた機械が、ロボットに変化するところはまじで興奮です。やたら滑らかで、何回も見たい感じですよ。あと、キューブが小ちゃくなるところも良いよね。
で、肝心の内容。ダサい、運動出来ない、顔もよくない、童貞男子の「モテたい」願望と、不必要にエロくて頭の悪そうなヒロイン、やたらうるさいデブのオタク、口うるさくて人の話を聞かない鬱陶しい両親と、バカ映画に必要な駒は揃っています。それと、地球に侵略してきた機械の生命体の悪チームと良チーム、アメリカ政府と秘密機関、正直途中でどれがどれだかわかんなくなってどうでもよくなったんですが、その辺がボッコボコにやってやられててんやわんやなワケです。
この映画には政治の話は最低限話を進める以外は必要ないと思うのですが、そういう意味で最初の展開にはやや不満が募り、この機械の奴らがアメリカ軍をボコボコにして全滅させる話なら面白いのになあと思って見てました。
私はこの映画を単にハリウッドの最新SF映画として見るか、B級バカ映画として見るべきか、そのスタンスがいまいち明確にならないまま終了してしまいました。内容のクダラナサに、CG技術が合ってないんです。もっとしょぼいCGなら、笑って見れたかも。もしくはしっかりした内容なら、SF映画としての楽しみで見れたかも・・・。この点が一番残念でした。

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天然コケッコー

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くらもちふさこの漫画の映画化であり夏帆ちゃん初主演作であり・・・でも私にとっては大好きな山下敦弘監督の新作です。

今まで山下監督がきっと恥ずかしくてできなかったような演出が、信じられないほど出てきます。でもその恥ずかしさと迷いが、夏帆ちゃんの思春期の不安定さなんかにうまく合っていて、ビックリしました。でも、見ていて恥ずかしくないのです。それはきっと山下監督が思い切っただけではなくて、渡辺あやさんの脚本の世界がしっかりしているからだと思います。これが向井康介さん脚本だったらこうはいかなかっただろうな(笑)
夏帆ちゃんがとにかくとても可愛いんですが、それはただ美しいという意味ではなく、田舎の子としての可愛さ、中学生としての可愛さ、普通の女の子としての可愛さです。夏帆ちゃんの感情は、もう忘れてたけどこんなこと考えてたよな、とか、こんな風に思ったよな、とか、懐かしい気持ちになります。いやいやこういう女子の感情を山下さんが知ってる筈は無い!ここはやっぱり渡辺あやさんが女性だからでしょう。
山下映画とは水と油と思われていた大沢くん役の男の子はとても美形のイケメンなんですが、大沢くんは東京からやってきたということで田舎の子たちからは憧れになるけど、実は顔以外はそんなにカッコ良くない普通の中学生(東京の友達とのバカな会話やプロレス好きで部屋にプロレスのポスターがあったりする)だということが解るんですが、それは学生時代にモテた経験のない山下さんのささやかな抵抗でしょうか。
ちょっと面白いと思ったのは、大体映画では喋っている人は一人なんだけど、画面の前で会話があるのにその奥で喋っている人が普通に居るのです。でもこれが普通だよなと思いました。
映画に流れる時間はまさに田舎の空のようにゆったりしていてとても心地いい。山下監督が、今までとは違った撮り方でこんな映画を撮ってしまったことに嬉しさと寂しさを感じつつ、これはファンだということを抜きにしても傑作だと思いました。

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街のあかり

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みんな大好きカウリスマキの新作です。

主人公のコイスティネンは、今までのカウリスマキ映画の主人公と違ってかなり男前なんではないかな?と思いました(「コントラクト・キラー」のジャン・ピエール=レオーが私の中では一番の男前)。
そんなイケメンなコイスティネンですが、夜警の仕事もうまくいかず(というより投げやり)、家族や友人もなく、もちろん恋人もなく、金もなく、どこに行ってもクズ扱いされます。そんな彼に目を付けたマフィアの男が、情婦を使ってコイスティネンを誘惑し、宝石の強奪の罪を彼にかぶせるのです。
女がはじめて彼の前に現れたときにコイスティネンが、「どうする。結婚するか」って言うのが笑えます。コイスティネンはモテないんですが、これ以外にもたまにこういう軽い暴走を見せます。
あとはやっぱり音楽のセンスが素晴らしい!恒例?のバンドも出てくるんだけど、曲は暑苦しいのに乾いた感じなのは北欧だからか?このバンド、ボーカル&ギターの人がギターのネックに煙草を挟んでるんですが、これかつてクラプトンがやってるのを見て私もこれやりたいと思った事ありました(ファンじゃないのに)。でも煙草を吸えるようにはなりませんでした。(ギターはちょろっと)
これ以上無いくらい悲惨な主人公ですが、やはりカウリスマキなので、その悲惨さもあまり悲惨になりすぎません。そして、ラストのささやかな希望のシーンで、カウリスマキの映画はやっぱり優しいな、だから好きなんだと再確認して席を立つのです。

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2007.08.13

明日、君がいない

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あれ、なんか映画見たのひさびさかも!

親友だった女の子が突然自殺し、その衝撃からこの映画を撮り上げたのはなんと弱冠20歳のムラーリ・K・タルリ監督。監督自身、過去に襲われて負った傷により障害を持っているそうで、監督の心情や背景もこの登場人物たちに投影されているのではないかと思います。
舞台は開かれたようで閉塞的なものの代表とも言える「学校」。軸になる6人の高校生たちはそれぞれ心に闇を抱え、誰にも言えないものを抱えて生きています。彼ら一人一人の闇をカメラが捉え、またそれに交差するように彼らのインタビュー映像で構成されています。
個々の抱える闇をあぶり出す過程は見ていて辛いものもあるけど、これは高校生に限った物ではなくて、普遍的なものでもあります。ただ、それが「学校」(学生)であることが、行き場を失っている重要な要素です。
学校や学生の描き方が、まだ監督が経験して時間が経っていないために生々しくてリアルです。未見ですがガス・ヴァン・サントの「エレファント」がこの映画に強い影響を与えているようなんですが、監督が若いだけにガスよりもリアルなのはきっとこの点なんでしょう。
この映画を見てて一番感じたのは「後悔」。誰にも言えない悩みを抱えているのは自分だけじゃない、でも自分以外が見えなくなっているのは皆同じで、自分の事を知って欲しい、自分のことを理解して欲しいと誰もが思っている。でも親友が自殺して、その理由を考えてみてもわからなくて、自分は彼女の抱えるものを、知ろうとしていただろうか、彼女を理解しようとしていただろうか、と、この20歳の監督は、自分自身に問いかけているように思えてならなかったのです。

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2007.08.02

ゴースト・ハウス

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タイトル見ての通りホラー映画で、ダニー&オキサイド・パン兄弟監督で、サム・ライミが製作に名を連ねてます。
邦題は半年後には誰も覚えてないようなありがちでしょうもないものですが、原題は「the messenger」。このタイトルも見れば話が大体読めるというしょーもない二段落ちのタイトルなのです。
夫婦とその娘(思春期)と息子(赤ん坊)の4人家族が都会から田舎の古い家に引っ越してきて、その家で怪奇現象が起るという、つーか説明するのもバカみたいなほどありがちな設定です。しかも、展開もあまりにもベッタベタ過ぎ、というよりは、そんなに映画に詳しくない私でもわかるほどの、直球のサンプリング(パクリ?)ストーリーとなっております。なんでしょうこれは。オマージュとかじゃないよね?パン兄弟のイメージ“斬新なナントカ“(実際は知らんが)のかけらも見当たりません。
また、常套なんですが、この夫婦が全くバカなんですねえ。親として最低!お前ら霊に殺されろ!!って思ったけどホラーにしてはあんまり人の死なない映画でしたねえ。
貶してばっかりなので褒めますと、このヒネリのない展開ながらも、それなりに怖がらせます。カメラワークとか新しくないけど、音響で怖がらせてるけど、結構ちゃんと怖いです。
でもまあ、この映画はタイトルとともに、1年後には皆の記憶から消えるでしょうねえ。

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2007.08.01

アドレナリン

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ストーリーは、気絶している間に毒を打たれて、アドレナリンを出し続けないと毒が回って死ぬっていう男が、ひたすらアドレナリンを出しまくるという映画。それだけです。
超単純明快。しかも、冒頭から最後まで余計な話とか一切ないからダレないです。素晴らしい。まあ、この「いかにしてアドレナリンを出し続けるか」っていう部分がこの映画の見どころなわけです!
ひたすら走ったり、警察に追っかけさせたり、コカインを吸引したり、まあそれくらいならば普通ですが、自分でワッフル焼き器で手を焼いたり、中華街のど真ん中でセックスしたりします。
で、この男には彼女がいるんですが、この彼女がもう完璧なレベルのバカ女なのです。見た感じからアホっていう女優としてはどーなの!?っていう素晴らしい頭の悪さなのです!この彼女がいいんですね〜。正直主人公よりもはまり役と思いました。
それなりにバカな映画だろうとは予測してたけど、こんなにバカだとは思わなかったです。バカ最高!!!この撮影風景もバカだったに違いない。

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アヒルと鴨のコインロッカー

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人気作家の伊坂幸太郎原作の映画化です。伊坂作品は「オーデュボンの祈り」しか読んだ事がないんだけど、この映画はそれより映画化しにくいんじゃないのというような話を聞いてたので、どうなの?ってちょっと思ってました。

が、非常によく出来た秀作だと思いました。

原作と同じ部分と、映画化にあたって変えた部分もあるようなのですが、脚本がとても巧く出来ている。でも、脚本が巧いだけじゃなくて、監督の演出がいいんだなと思いました。バラバラになったパズルをひとつずつ埋めていくように映画が進む時の、見せていき方が非常に巧いのです。で、勿論重要なのはキャラクター(役者)なんですが、彼らもとてもハマっていると思いました。瑛太とか、特に良いと思った事はなかったけど、振幅のあるキャラクターを好演。もう一人の主人公を演じた濱田岳のキャラクターもいい!というか素だよね。
さらにもう一つの主役?のディランですが、『アイデン&ティティ』のようにド直球でやや鬱陶しい感じではなくて、ちゃんと意味がある使い方でした。でもこんなに神様神様言われて、ディラン嫌だろうなあと思ったりした。神様って言われるときって殆ど、20代のディランを指してるでしょ!40年前の自分を「神様」扱いされても、正直複雑だよね!
とはいえ、公園で一人ブランコに腰掛ける瑛太を見て、最後にタイトルの意味が解り、ラストのクレジットに「風に吹かれて」が流れて、ちょっと泣きそうになった。

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トマトケチャップ皇帝 オリジナル完全版

寺山修司の短編「トマトケチャップ皇帝」と「ジャンケン戦争」は以前特集上映の時見たんですが、その二つはもともと一つの「トマトケチャップ皇帝」だったそうで、今回寺山が所蔵していたプリントを復元して“完全版”となったそうです。元のプリントは結構退色していたようで、画が見難い部分もあったけど、これがフィルムで見れるとは有難い!

短編を見たのはもう結構前なのでうろ覚えだったんだけど、その時より、こうやって完全版として見るとなるほどと思ったことがいろいろ。まあ実験映画なので見ただけで完全に理解するのはちょっと難しいかと思います、が、アイロニーやらそういったものが強く込められている印象(当たり前か)。
個人的には前半がかなり興味深かったですね。おもしろい。ジャンケン戦争の部分は、短編で見たときはすげー面白いと思ったんだけど、この流れで見るとちょっとダレました。
それにしても、皇帝役の子供には一体どんな演出をしたのか気になる・・・

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