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2007.08.22

天然コケッコー

公式サイト

くらもちふさこの漫画の映画化であり夏帆ちゃん初主演作であり・・・でも私にとっては大好きな山下敦弘監督の新作です。

今まで山下監督がきっと恥ずかしくてできなかったような演出が、信じられないほど出てきます。でもその恥ずかしさと迷いが、夏帆ちゃんの思春期の不安定さなんかにうまく合っていて、ビックリしました。でも、見ていて恥ずかしくないのです。それはきっと山下監督が思い切っただけではなくて、渡辺あやさんの脚本の世界がしっかりしているからだと思います。これが向井康介さん脚本だったらこうはいかなかっただろうな(笑)
夏帆ちゃんがとにかくとても可愛いんですが、それはただ美しいという意味ではなく、田舎の子としての可愛さ、中学生としての可愛さ、普通の女の子としての可愛さです。夏帆ちゃんの感情は、もう忘れてたけどこんなこと考えてたよな、とか、こんな風に思ったよな、とか、懐かしい気持ちになります。いやいやこういう女子の感情を山下さんが知ってる筈は無い!ここはやっぱり渡辺あやさんが女性だからでしょう。
山下映画とは水と油と思われていた大沢くん役の男の子はとても美形のイケメンなんですが、大沢くんは東京からやってきたということで田舎の子たちからは憧れになるけど、実は顔以外はそんなにカッコ良くない普通の中学生(東京の友達とのバカな会話やプロレス好きで部屋にプロレスのポスターがあったりする)だということが解るんですが、それは学生時代にモテた経験のない山下さんのささやかな抵抗でしょうか。
ちょっと面白いと思ったのは、大体映画では喋っている人は一人なんだけど、画面の前で会話があるのにその奥で喋っている人が普通に居るのです。でもこれが普通だよなと思いました。
映画に流れる時間はまさに田舎の空のようにゆったりしていてとても心地いい。山下監督が、今までとは違った撮り方でこんな映画を撮ってしまったことに嬉しさと寂しさを感じつつ、これはファンだということを抜きにしても傑作だと思いました。

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