« 2007年12月 | トップページ | 2008年2月 »

2008年1月

2008.01.26

エンジェル

公式サイト

フランソワ・オゾンの新作です。
私はオゾンは好きな監督の一人なんですが、オゾンの映画は「焼け石に水」とか「8人の女たち」みたいな意地悪な映画が好きです。そんな意地悪オゾンの期待高まる作品でした。
エンジェルは決して好きになれないタイプの人間だけど、オゾンがエンジェルを愛する気持ちはわからなくもない。誰にでも夢とか妄想はあるもので、たとえば自分が大金持ちだったら、有名人だったら、美男美女だったら、天才だったら・・・などなど、一度は考えたことはあると思います。でも夢は夢である、というのが成長とともにわかるわけで、それを口に出して言ったりはしないだけです。
でも、エンジェルは全部口に出すんです。それが本当のことであるかのように言います。それを見て観客は、エンジェルを不快に思ったりするわけですが、よく考えてみれば、口に出すか出さないかだけで、彼女は非常に純粋であると気づくわけです。まあタチが悪いのはそれで完全にまわりを巻き込んでるところなんだけど(笑)
エンジェルの超成金具合とか、笑えるところもかなりあって、これには主演のロモーラ・ガライのがんばりっぷりが貢献してました。劇場で感極まって投げキッスするところが一番オモロかった。
映画全体で見ると、前半の駆け上がりに比べてエスメと結婚後の没落していく過程がややダレるなあという印象でした。オゾンの最高傑作ではないけど、面白かった。
最後の死に際の台詞まで、自分自身を自分の小説の主人公として生きた女。これを男の人が観たら引くかもね。女の人なら、嫌いだけどわからなくはない・・・と思えるのではないでしょうか。

| コメント (0)

2008.01.17

ヴォイス・オブ・ヘドウィグ

公式サイト

うーん、、、
伝えたいこととコンセプトはわかるんだけど、「トリビュート盤」と銘打っているのに、その内容がちょっとねえ。アレンジそのままの曲がかなりある。それをただ“◯◯がコピー”みたいなのを見せられて正直ウトウト・・・。参加してるのはそれなりに有名なミュージシャンなんだからさあ、ちょっとは「おっ」と思わせるようなアレンジとか、カヴァーをしてほしいものです。何の曲かわからないくらい解体するとかさ。
ベン・リー、ベン・クウェラー、ベン・フォールズの「3ベン」が揃った画は見どころ。あとヨーコの歌も。その他スリーター・キニーとか(個人的には)懐かしい面々が見られます。しかしラストのシンディ・ローパーのみ顔出しなしとかさー、いかにも権利問題という感じでシラケるわ。
で、その「ヘドウィグ」の曲たちに乗せてLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア)の高校生たちのことが構成されていきます。その子たちの話は考えさせられるし応援したくなるものなんだけど、編集が普通過ぎて眠くなるわけです・・・。が、エンジェルという子だけ家族の理解がどうしても得られなくて、つらい。家族にも葛藤があるのはわかるけど。もし将来自分にLGBTQの子どもが出来ても、自分は最後まで味方でいようと思った。
この子たちが通うのが「ハーヴェイ・ミルク高校」なんですが、ハーヴェイ・ミルクの説明は全くされていないので、『ハーヴェイ・ミルク』という傑作ドキュメンタリーがあるので、正直この映画よりそっちを見ていただきたいです。

| コメント (3)

2008.01.16

ロング・グッドバイ

ロバート・アルトマン監督、エリオット・グールド主演、原作はレイモンド・チャンドラー「長いお別れ」、1973年作品、初見です。

オープニングから異常にカッコよい。さらに私立探偵マーロウを演じるエリオット・グールドが異常にカッコよい。猫に餌をやるのすらカッコよい。
友人の死からはじまるハードボイルドで、マーロウが事件を追うんですが、映画前編を覆う気だるさというかユルさ・・・語彙力がないので表現しにくいけど、それがその「カッコ良さ」となっているのです。
「探偵物語」の松田優作はこのマーロウをイメージしたとか。なるほどまさにそうです。
どういう構造かわからないアパートと、隣に住んでる半裸のねえちゃんたち、吸ってないときはないタバコ、チンピラとの粋なオモロい会話、カメラワーク、ジョン・ウィリアムズの音楽、すべてが素敵。
フィルムで見れてよかった。絶対フィルムで見るべきだ。

| コメント (0)

2008.01.10

黒い眼のオペラ

公式サイト

ツァイ・ミンリャン作品。主演はもちろんシャオカンことリー・カンション。
都会の片隅でひっそり生きる3人を中心に描くんですが、静かな時間と妙に美しい映像なのに笑えるところがいい。チェン・シャンチーがつけつあのマスク・・・あれは台湾(マレーシア?)では一般的・・・ということはないんでしょうが。
シャオカンの肩に蛾がとまるシーンがステキなんだけど蛾がでか過ぎてキモチワルイようなもうなんだかわかんないけど名シーン。でもシャオカンとチェン・シャンチーが汚い食堂で黙々とご飯を食べてるようなシーンが好きです。
それにしてもシャオカン・・・別に美形ではないし背もちいさいのになんでこんなに素敵なんでしょうか。色気がありすぎます。
"i don't want to sleep alone"のラストがいい。

| コメント (0)

2008.01.04

八仙飯店之人肉饅頭

2008年の1本目にこれを観てしまった。もちろんビデオで。
高校生の時に一度観ていたんだけど、ほとんど忘れてるだろうなあと思って見たら、見てるうちに思い出しました。
この映画のハイライトは、店員を殺して死体をミンチにするシーンと、元店主一家の惨殺シーンだと思うんですが、今見ると核心部分(実際に身体に刃を入れたりするところ)は映されていないので、それほどグロテスクに見えません。描写がグロテスクというよりは、終始キレ気味のアンソニー・ウォンの暴走が怖いといったところでしょうか。
一方、誰が見ても怪しいアンソニー・ウォンを追う警察の方はいかにも昔の香港映画らしいドタバタのコメディで、正直こっちは要らないかもなあと思いました。

| コメント (0)

ロニー MODSとROCKが恋した男

公式サイト

インタビューでクラプトンも言ってたけど、初期のスモール・フェイセズは身長120センチとまではいかないけども皆小さい小さい!子供みたい(10代か20歳そこそこだと思うけど)。エピフォン?かグレッチ?(どっちかわからない)がもの凄くデカくみえる。顔もみんなカワイイなあ。カワイイ顔でイキがった歌い方のスティーブ・マリオットがまたカワイイ。
なるほどスモール・フェイセズの頃よりもその後の人生が「ロニー・レイン」としては面白くなっていくのですが、この人はミュージシャンとしてというより、人間としてかなり変わった人だったんだなという印象。非常に純粋で自分の思うままに生きているようだけど、それが時としてアウトローな感じになっている。アウトローと言っても反体制とかパンク的なアウトローじゃなくて、本当に常識からサヨナラしたような純朴なアウトロー。
農場をやりながら丘の上や原っぱで楽器を持ち寄って演奏して、サーカスみたいにライブをして・・・とこの時代はとても羨ましい。
発病して寝たきりになった状態で、「時々死んだふりをする」ロニーが好きになった映画でした。余談ですがビリー・ニコルスが出ていた。すっかり中年太りのおっさんだった。

| コメント (0)

« 2007年12月 | トップページ | 2008年2月 »