2009.06.10

天使の眼、野獣の街

公式サイトはなくなっていた

ジョニー・トー作品の脚本を担当していた、ヤウ・ナイホイの監督デビュー作。
面白い映画って冒頭から面白いことが多いんだけど、まさにこれがそう。台詞なしでテンポよく見せていく。
主人公の女性警官が配属されたのが監視班なので、トー作品みたいに主人公の銃撃戦とかはないんだけど、この監視業務の描き方が面白い。実際の監視班ってどんな風にしてるのか勿論知らないけど、こんな感じなのかな?こんな感じならスゴいな!
スタイリッシュでもないし、映画として真新しいわけではないけど、映画ならではの面白さが詰まっている。無駄がなく純粋に映画を見る楽しさ・面白さが詰まった1時間半!
まあ、気持ち的には、ラストは主人公の女の子がレオン・カーファイを蜂の巣にして欲しかったなーとかと思ったりして・・・

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2009.05.17

グラン・トリノ

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女は体力的に弱いので、精神力が男よりも強く作られている。男は体力的には女よりずっと強いけど、一見強そうに見えても、精神的には女より圧倒的に脆く弱い。
イーストウッド演じるコワルスキーが大事にしているグラン・トリノは、強い(保守的な意味で)アメリカの象徴であると同時に、男性性の象徴でもある。
50年代で時の止まったような、頑固で超差別主義者のコワルスキー爺さんは強い人間のようだけど、本質的な弱さを、他人を排することや、グラン・トリノや銃で覆い隠しているように見えます。
その彼が、忌み嫌うアジア人少年(と少女)と打ち解けていくまでの様子や、その頑固ジジイっぷりが、結構コミカルに描かれているのが面白い。
映画の中心になっている三本柱は、少年の成長と通過儀礼、父(的なもの)と子の関係性、アメリカ的な暴力の否定、で、それが非常に個人的なものを描きながらも普遍的。ラストはちょっとイーストウッドカッコよ過ぎでしょ!と思いつつ涙してしまいました。歌まで歌うことはないでしょと思ったけど・・・。演出も文句なしでした。
ただひとつ、どうしても、男同士の関係性とか、父親(のような人)が息子に、息子が父親に対する思いっていうのが、頭では理解できても感覚的にどうしてもわからないので、もし自分が男だったら、今の30倍くらい感動できただろうなーと思った。
何はともあれ、傑作です。

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2009.04.22

レッドクリフ part2

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結構どうでもよくなってたんだけど見に行きましたパート2。
三国志は全くわかんないので、赤壁の戦いの結果がどうなるかもわからず見ていました。とにかく、最終決戦に至るまでが長い!重厚感を出すためなのか、やたら時間をかけていて途中で眠くなりました。団子のところとかさー。別にいらないんじゃないの・・・と思ったりして。そんなに団子いらないだろ、とか。あれ三国志的に重要なエピソードなのかな?
赤壁の戦いも、全体の戦いを俯瞰のときは「はあーこういう風に戦ったの、頭良いのねえ」と思って見てるくらいだったんだけど、個人戦のシーンはアクションもそれなりに迫力あってよかったです。個人的には孫権(チャン・チェン)のアクションみたかったなー。まあ、偉い人だから前線で戦うことってほとんどなかったのかも知れませんが。トニー(周瑜)のアクションもかっこよかったし。
周瑜のヨメの女優は、相武さきちゃん並みに表情の無い女優で、無表情の役ではあるもののこれって演技なの?っていうくらい「単なる美人」でした。演技できないのにチヤホヤされて納得いかないわ。例えばコン・リーだったらちょっと歳とり過ぎなので無理ですが、もっとちゃんとした女優使ってほしかった。孫権の妹役の女優は頑張ってたと思う。
とにかく一言で言うと・・・ちょっと長過ぎやしませんか。

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2009.04.10

PARIS

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「スパニッシュ・アパートメント」の、セドリック・クラピッシュ監督の新作。
そんなに群像劇に詳しいわけではないけど、群像劇の最後にいくにつれ高まるカタルシスが弱いと感じた。主役は人でなくパリそのものなのはわかるが、パリに行ったことない私にとってはどのくらいパリを描けているかはわからない。
パリに住む人々の描き方は、まさにラストでロマン・デュリスが言うように、怒って、文句言って、泣いて、笑って・・・なんだけど、出てくる人みんな半径10メートルくらいの世界しか描いてないから、つまらなくはないけど、とりたてて面白くもない。「それがパリよ」って言われたら「そうですか」って言うしかないけどな・・・。
群像劇の登場人物は、沢山いても、物語にとっては必然で、それが交錯するのが面白いんだけど、これはなんとなく出て来たいろんな人が、「みんなパリに住んでいる」という以外特に必然性が感じられない。別にこの人要らなくない?っていうのが、思い出すだけで数人。しかも登場人物の殆どが、恋愛とセックスのことだけしかないからなあ・・・パリの人って他にすることないんすかねえ。とか思ったり。
消化しなきゃならないものも溜まらないけど、なんか消化不良な映画でした。

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2009.04.07

愛のむきだし

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盗撮とか変態とか宗教とか、一見ものすごいカーブを描いているようで、実は豪速球のどストレートな“純愛“を、流血してボコボコになって、のたうちまわりながらも力技で描ききったエンタテインメント傑作。
余韻を残すとか中途半端で終わらせるんじゃなく、最後の最後までキッチリ見せて、自分の作品に堂々とおとしまえをつけた園子温、エライ!!
役者もみんな良かったけど、特にヒロインの満島ひかりが素晴らしかった。
あっという間の4時間。興奮して、感動いたしました。

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2009.03.01

40歳問題

フライングキッズ浜崎。真心ブラザーズ桜井。大沢伸一。誰もよく知らないし、好きでもキライでもない。40代(と40代を控えた者)という括りだけで3人が集まり、曲を作る。
曲作りを追うとともに、各々の生活や心情を語るところが挿入される。普通の家庭を作る40歳。バンドを続ける40歳。故郷に帰る40歳。
“40歳問題”ってナニ?そろそろ体にガタがきたとか、家庭を守らなきゃならないとか、親の介護だとか、そういうことなのかな、と思っていたが、そこにはあまり言及されず、「???」となった。
が、ここで語られる“40歳問題”とは、そういう一般的なことではなかった。
殆ど初対面同然の3人が顔を合わせた時、バンドを始めたときの初期衝動のような、40代を破壊するような曲を作ろう、というような話になった。
しかし、曲作りが進むにつれ、上手くなってしまった演奏や固まってしまったスタイルをそのまま継承した“こなれた感じ”の曲が出来上がっていく。私は聴いてて全く惹かれないし、いいなとも思わなかった。
が、音楽性が他の2人と大きく異なる大沢伸一は、こんな曲はつまらない、やる気がでない、テンションがあがらない、そんなことを言い続ける。初期衝動とか言っておきながら、いつもやっていることと同じじゃねえか、と。コードの押さえ方とか、コード進行とか、メロディとか、上手く歌うとか、そんなことにこだわったら、いつもと同じことしかできない。曲名は「LOST CONTROL」と付けられたけど、全然ロストじゃない。
3人の中で一番くそ真面目な大沢は、それを浜崎と桜井にぶつける。多分、浜崎も桜井も、自分が「LOST CONTROL」できていないことはわかっている。やりたいけど、どうしていいかわかんない、カチカチに固まった自分の殻を破ることができない、これがまさしく「40歳問題」!
見ている私は、大沢が浜崎とケンカすればいいと思った。でもならなかった。大沢も「40代」だから、皆に気を使ってしまう。これも「40歳問題」。
30歳の私は見ていて、ずっとイライラした。ケンカすることも、完全に居直ることもできない中途半端ジェネレーション。ラストで大沢が溜まりに溜まった鬱屈した衝動でギターをぶっ壊したが、私もギターをぶっ壊したい衝動に駆られた。
私が大好きな音楽は、殆どがそのミュージシャンが20代のうちに作ったものだ。20代前半でこんなに素晴らしい物が作れるなんて、と思っていたけど、20代じゃないと作れないというのが、よくわかった。

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2009.02.21

永遠のこどもたち

「母の愛!!」みたいなコピーだったから完全に油断してました。プロデューサーがギレルモ・デル・トロだし、もっと深読みしとくべきだった。
とにかく予想以上に怖い!!オープニングのタイトルクレジットから完全にホラーでした。あのタイトルクレジット結構好き。
ホラー的なハイライトはやっぱり元孤児院勤務の婆さんが車に撥ねられ→見せないか?見せないか?と思いきや→ガーーーー!!っていうところでしょうか。普通にホラーだと思って見に来てない人が、心臓止まらなかったか心配。
個人的には日本で言えば「だるまさんがころんだ」を主人公が子どもたちとやるシーンが一番怖かった。次どうなるかわかってるんだけど怖かった。
主人公のお母さんは頑張ってたと思うんだけど、お父さんがあまりにもしょーもない男でした。あんたもっとしっかりしなさいよ!

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2009.02.03

闇の子供たち

阪本順治監督、梁石日原作。見逃していたのをやっと見れました。
映画の内容についてとやかく言う人もいるだろうけど、製作に関わった全員が本気で作ったことだけは確実に伝わる、体臭のする映画で素晴らしかった。こういう映画を見ると、中途半端な映画を見る気がしなくなるよなー。
先に阪本監督のコメントをいろいろ読んだり、聞いたりしていたので、目を背けたくなるシーンもきちんと見ることが出来ました。
ただ、ラストをどう受け止めていいかわからず、浮いた感じのある桑田佳祐の主題歌も耳に入らなかった。

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2009.01.20

THE ROLLING STONES SHINE A LIGHT AGAIN!

あーもうすぐ終わっちゃうなーもう一回見たいな。と思ってリベンジ。
ちなみに面白かった映画でも、もう一回見たくなるのと、そうならないもの(「実録連合赤軍」とか気力を使う映画)がありますよね。

私は映画見るのは楽しいし好きだけど、本当に幸せだと感じるのは一人で好きな音楽を聴いている時です。それに映像が加わったら最高です。私の一番好きな音楽は恐らく映像が残っていないので実に残念ですが、一番好きでなくても幸せです。
トーキング・ヘッズの「ストップ・メイキング・センス」と同じくらいテンション上がる映画だなあこれ。何回見てもカッコいいなあ(ちなみにジャック・ホワイトは太ってキモチワルくなったなあ)。チャーリーはやっぱり動きがないから、他の3人に比べ映る回数が少ないのが残念ですね。
最後に!と思って見たけど、見たらもう一回見たくなった!

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ワールド・オブ・ライズ

リドリー・スコットのです。ディカプリオとラッセル・クロウのです。

あんまり前知識なしで見ました。こんな映画だったのね。という感じ。
戦争をしている・巻き込まれているのは前線の兵士であったり、現地の民間人であったり、テロリストであったりするわけだけど、その戦争を実際に操っているのは、安全なデスクの前でメールと携帯で指示する奴ら。目の前で人が死んだり自分で殺したりしていないわけなので、戦争の中身は文字や数字や言葉でしかないから、信じられないようなことも平気で言うし、やらせる。こんな奴らが実際にいて、世界を動かしてるんだよ。
っていうのを、さすがのエンタテインメント映画にしているわけです(実話ベースらしいが・・・)。社会派映画を好む人にはその点が不満かも知れないけど、飽きないしなかなか面白い映画でした。でもねー、「アメリカン・ギャングスター」もそうだったんだけど、面白いんだけど、多分数年後には忘れちゃうだろうな。この映画独自のインパクトみたいのが弱いと思いました。
ディカプリオもラッセル・クロウもさー、すごい演技は上手いと思うんだけどなんか好きになれないのよね〜。なんでかな〜。

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